とりあえず生きること
第15講 D-13
生きることに必要で十分な条件は4つである。衣食住、そして健康。
以前にも書いた覚えがある。しかし、何度でも言うほどに重要なことなのだ。極端な寒暖をしのぐ衣服、生命を維持する食事、安眠ができる住居、この衣食住に加えて健康的な身心があること。それがどれだけ大変でどれだけ諸要件を要求しているか、知ることはない。ただ、今ある現状が、今こうして生命を脅かされることなく、多少の病気や精神的な不安を感じながらも、安全圏において生活できている今が、どれほど有難いことなのか。知るべきである。知らない、分からないとは言わせない。今がどれだけ、有難いことなのか。失ってから気づいた、なんて言わせない。それでは有難さが分からないし、感謝することもできないだろう。
資本がいくらあっても、権力をもっていても、それはまがい物に過ぎないのである。このようなことを書くとある人は言う。資本を権力をもたない人の負け惜しみだと。次の一文は論理の飛躍かもしれない。
そんなものがあっても生きることはできない。