資本主義における資本

第15講 H-4

 ここしばらくはBについて書いてきた。しかし、今回は少し視点を変えて、現代社会について考えてみる。現代社会の多くは資本主義である。資本とは貨幣や土地、国家権力のことだ。国家権力がなぜ資本なのか。それは、貨幣や土地などの価値を定めているからである。結局のところ貨幣や土地は信用によってその価値が成り立っている。貨幣などただの紙切れか金属の塊であり、土地などは大地の一部である。それに価値を付与する。しかも使うための価値ではなく、価値のための価値だ。換言すれば、それそのものでは何もできないものであるのに、何かと交換したりそれを所有していることが価値になるのである。

 さて、このような資本を持っている者、資本家が優位に立てる。これが資本主義の基本的な立場だ。さらに資本は多ければ多いほど優位性は増す。加えて、資本の根源は一個人に因ることが少なく、ほとんどは一族に既存するのである。まれに、本当にまれに、一個人や数人が莫大な資本を得ることもあるが、ここではより一般的な例を取り上げよう。資本力は一族に起因する。つまり、昔でいう世襲的な制度が、現代では資本力として受け継がれているのである。近ごろ騒がれている「親ガチャ」なるものは、このような資本による世襲も関係しているのではないか。

 資本、資本家、資本主義。資本についてはもっと考えるべき事柄がある。こうして反資本のようなことを書いていると、目指してるのが社会主義に見えてくるかもしれない。しかし、実際は違うのだ。

 続きは次回にする。