衣服の機能は幾つある

第13講 C-11

 前回は、衣食住のうちの衣、つまり、衣服や衣類の話をはじめた。その中で、ファッションや流行について考えていた。

 流行に乗ってモノを買う。それは、モノという物質を買っているのではなく、そのモノに付与された情報を買っているのだ、と記している書物があることを紹介した。これに同意した上で、衣服についてもう少し考えていく。

 服の機能は何であろうか。身体を守ること、外気温から体温を調整すること、所属を示すことなど様々ある。身体を守ることは、怪我の防止や軽減、精神的安定をつくることができる。外気温から体温を調整することは、端的にいえば、体温調整ができるということである。また、所属を示すことは、学校や職場での制服、スポーツをするときのユニフォームがこれに当たる。

 さて、ここにファッションはあるだろうか。つまり、服の機能のなかで、ファッションは存在するのであろうか。ともすれば所属を示すという機能も危ういが、ファッションは服における幻想的な機能である。いかにもそれがあると思わせることで、欲するか否かを考えさせることなく、買ってもらえるのだ。

 そして、服の機能はもう1つある。それは、儀礼や儀式をしていることを示すことだ。これは服の分類の仕方に関する事柄になる。つまり、ケの日とハレの日のことである。