服は何着あれば足りる

第13講 C-12

 前回か、前々回から服についての話をしていた。服の機能には、身体を守ることや所属を示すことなどがあると説明したが、その中で、儀礼や儀式をしていることを示す機能があることも提示した。

 日本の文化の1つに、ケの日とハレの日がある。ケの日とは日常である。普段の日常をいい、仕事をしたり娯楽をしたりなどのほとんどありきたりな毎日を指す。ハレの日とは非日常である。お祭りや年中行事、あるいは儀式のことをいう。

 もう分かるだろう。普段着とお祝いでの服装、この2つには明らかな違いがある。もちろん、普段着といっても外向きの服や室内着、寝間着など状況や場所によって細かく分類がなされ、それぞれに合う服装というものが存在する。外向きの服については、会う人や行く場所によって、さらに細かく分けることができるだろう。しかし、お祝いでの服装はどうか。たしかに、お祝いの規模によって違いはある。

 しかしここはもっと単純に、ハレの日に使う用に1つ、ケの日に使う用に2つあれば充分であろう。また、ケの日の2つというのは、外向きの服のみを指している。室内着や寝間着については計算に含んでいない。

 では、これらの服をどのような基準でどのように用意すれば良いのだろうか。この先は、次回に譲る。