気力と能力の不足実感

第12講 C-2

 前回、「人々は本来、何もしなくてよい」という考えのもと、その理由を挙げつつ論を展開した。理由として個人の問題と社会の問題を提示したが、今回は社会の問題に焦点を当てる。

 いまの社会は、動き続けれなければならなくなっている。常に新しさ、進化を求め、物はすぐに生産と消費が繰り返される。では、この生産と消費の繰り返しの果てに、何が残るのだろうか。それは、環境の破壊である。

 環境の破壊。これは言い過ぎかもしれないと思われるが、事実である。「破壊」という表現が重々しいのであれば、単に「壊す」とでも「悪化する」とでも言えばいい。とにかく、環境の問題が、いまの地球社会にはある。

 「人々は本来、何もしなくてよい」とは、つまるところ「環境保全」「地球保全」につながるのである。もし、もう少し考える力と気力があれば、もう少し深い洞察や思考ができるのかもしれない。それができないのは、不足が多いからだと理解している。

 しかしそれでも、少しは何かを書いていく。